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日本結晶成長学会業績賞および赤崎勇賞を受賞

日本結晶成長学会業績賞および赤崎勇賞を受賞しました。

受賞タイトル: 機能性バルク単結晶育成技術の開拓と実用化 受賞者: 干川圭吾 2018年11月1日(仙台市戦災復興記念館にて)

<推薦理由書> 「機能性バルク単結晶育成技術の開拓と実用化」

受賞者は、長年バルク結晶育成技術の研究に関わり、シリコン、化合物半導体、酸化物等の単結晶の大形化・高品質化・低価格化に向けた研究と実用化に尽力した。 Si結晶では、結晶特性・品質に密接に関わるCZ-Si中酸素について、「酸素の混入機構」を先駆的に解明し、効果的な「酸素濃度制御技術」を提案・確立した。高精密に濃度制御された現在のSiウエハはこれらの知見、技術基盤に立脚している。Si育成への「磁界印加効果」にも早期に着目し、「水冷コイルによる垂直磁界」、「超電導コイルによるカスプ磁界」等、新規技術を順次提案し、磁界印加技術の進展を牽引した。これらの知見・技術は、現在の300mm径Siの全てが、磁界印加の下で生産されている現実に大きく寄与している。 GaAs結晶では、大形化、低転位密度化、高歩留まり育成を可能にする独創的な「液体封止垂直ブリッジマン(LEVB)技術」を提案・確立した。InP育成で大きな課題であった双晶発生、多結晶化を解決する「定径種子付け法」を提案・実証した。これら先導的研究成果は、国内の企業に継承され、生産技術へと進展した。現在国内外のGaAs、InPの大部分が、これらの技術により生産・販売されている。 酸化物結晶では、従来困難視されていたるつぼ内成長(VB)技術に挑戦し、常識に反して多くの結晶で、工業化レベル(サイズ・品質)の単結晶育成が可能なことを示した。VB法サファイア、α-Al2O3-YAG共晶体、β-Ga2O3等があり、現在企業で検討継続のものも多く、実用化への進展が期待される。 また受賞者は、種々の単結晶づくりに関わる中で、ノウハウの塊とも言われる泥臭いバルク成長の現場で、垣間見られる規則性を逃さず捉え、科学的な知見に集成・活用することを通して、結晶成長の科学・技術の進展にも大きく貢献してきた。以上のことから、本会業績賞および赤﨑勇賞にふさわしいと判断した。


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